Q1 コロナ禍に始まった本プロジェクト。どのように活動を進めてきましたか?
想定外のスタートでしたが、オンラインでやり取りを重ねて、実際に集まれるタイミングで、神奈川県に住んでいる外国にルーツのある方から直接、あそび歌を教わるところから始めました。(ホナガ)
たくさんの歌を教えていただくなかで、現地の言葉の響きが面白いものや、今の子どもも共感できそうなもの、掛け合いするシーンがあるなど、様々なエッセンスが入っているものを選んで映像にしていきました。(権頭)
Q2 「あそび歌」をどのようにアレンジしていますか?
演者もスタッフも一緒に、実際に試しながらつくっています。遊んでみて楽しいかどうか、ということを一番大切にしています。(ホナガ)
全て日本語に訳すのではなく、現地の言葉の響きが面白いものは残したり、動きが複雑なところにアレンジを加えています。いろんな人達が遊んでくれて、さらに遊び方を変えながら広まっていくといいなと思っています。(佐藤)
Q3体験型コンサート(8月に開催)はどのような内容でしたか?
コロナ禍による制限が緩和されてきたので、今回はお客さんが参加できる場面が増えました。一緒に踊ってみたり、歌ってみたり、体験を持ち帰ってもらうことができていたら嬉しいです。(権頭)
2月に開催した時よりも曲数や体験できる時間を増やしました。劇場だけれど、客席も含めた全員の遊び場になるような空間づくりを目指しました。(ホナガ)
体験型コンサート(2023年2月18日/県民共済みらいホール)の様子。撮影:吉田周平
体験型コンサート(2023年8月6日)に向けた稽古の様子。それぞれ主要な役割はありながらも、それを超えてアイデアを出しあいながら完成度をあげていきます。撮影:加藤甫
Q4 それぞれの役割のなかで、どのようなところにこだわってコンサートをつくっていますか?
それぞれの国で実際に使われている民族楽器をなるべく取り寄せて使うようにしています。国や地域によって異なる音色の色彩を少しでも感じてもらえるようにできたらいいですね。(佐藤)
アコーディオンなどの楽器を担当しているので、印象に残るメロディをしっかりと伝えようとしています。また、楽しむ心と童心を忘れないようにしています。(権頭)
踊りには生活感や文化的な背景が現れるので、ひとつの地域にまつわる踊りを1曲だけではなくいくつか踊ってみながら、動きの特徴を掴むようにしています。(ホナガ)
Q5 今後の展開を教えてください。
来年2月にイベント出演を予定しています。他にも、まだまだ県内にいる外国にルーツのある方をリサーチしたり、あそび歌を映像に残したりなど、様々な形で活動を展開していきたいです。外国にルーツのある方に出会ったときにその国のあそび歌を一曲知っているということから仲良くなれるかもしれない。文化を通してお互いへの理解へつながるといいですよね。(ホナガ)
神奈川県あそび歌プロジェクトとは
日本で暮らす子どもたちが誰でも楽しめるように世界の「あそび歌」の歌詞や振付をアレンジして、多文化の魅力を発信するプロジェクト。レクチャー動画を配信し、歌詞や振付をイラスト付きのリーフレットで紹介することから活動を開始。一つの地域について掘り下げ、あそび歌を通した学びを提供するワークショップを幼稚園や学童などで展開。また、チームがリサーチした様々な楽曲で遊ぶことができる体験型のコンサートを今年2月と8月に実施しました。