横須賀シニア劇団「よっしゃ‼︎」第6回公演 レトロシアターvol.Ⅰ『あおげあおげ』『かさじぞう』

横須賀中央駅から緩やかな坂を登ってたどり着いた、横須賀市立青少年会館。ホールに設えられたシンプルな舞台と観客席は、開演前から和やかな雰囲気に包まれていました。2019年に設立された「よっしゃ‼︎」は団員が全員60歳以上。今回出演するのは25名。観客はそのお友達、ご家族、お知り合いの方が多いのか会場での会話も弾みます。

1話目は狂言『ぶす』をアレンジした、和尚様ととんち坊主の話『あおげあおげ』。分かりやすくも、狂言らしいしぐさも生かした演出で、和尚に手をつけてはいけないと言われていた壺の中身(実は水飴)をあっという間に平らげてしまう坊主の様子は笑いを誘っていました。

横須賀シニア劇団第6回公演「あおげあおげ」の公演写真。とんち坊主3名が横一列に並び、右手をパーにして、前に突き出している。

横須賀シニア劇団第6回公演「あおげあおげ」の公演写真。とんち坊主3名のうち、真ん中の坊主が大きな赤いうちわであおごうとしている。

2話目『かさじぞう』も楽しい演出がたくさん。爺様が「誰かに似てないか?」と地蔵に語りかける場面では、五月みどりさん、黒柳徹子さんなどの名前や、この頃ワイドショーを賑わせていた方の名前も。皆が知っている話も、このようにして今を楽しむ術が加わるのが芸能の魅力だと感じるひと時でした。パンフレットに並ぶ劇団員のコメント「心豊かな爺様と婆様。2人の世界観を表現したい。」「かわいいお地蔵さん役。童心に帰って楽しみます。」といった言葉も印象に残りました。(橋本)

横須賀シニア劇団第6回公演「かさじぞう」の公演写真。爺様の後ろにかさじぞうが6名並んでいる。

横須賀シニア劇団第6回公演「かさじぞう」の公演写真。6名のかさじぞうたちが寄り集まっている。中には両手をあげて踊っているようなものもいる。
撮影:長谷川健太郎