Q1 2年目となる、やまゆり園でのワークショップ。これまでどのように進めてきましたか?
まずは影絵ってなんだろうということを知ってもらうために、私たちがパフォーマンスをした後に、手影絵から始めました。両手を使って、鳥やカニなどの姿を表現する手影絵は、手遊びの要素もあり、影絵に親しみながら始めることができます。手を開く動作がしづらい方には、影絵の人形の棒を持って動かしてもらいました。毎回取り組みを少しずつ変えながら、楽しんでもらうことを目指しています。
Q2 今年度は、どのようなことに取り組んでいますか?
今年は小さな作品づくりに挑戦しています。「四季の歌」というタイトルで、春夏秋冬の影絵の背景の中で、動物たちが歌ったり踊ったりする作品です。影絵には参加しないけれど歌うことがとても好きな方がいるので、そうした方にも参加してもらえるようにしています。
Q3 ワークショップの回数を重ねる中で、参加者の方に変化はありましたか?
開始時に前に出るのをためらっている方がいたのですが、他の参加者が映した影が動いているのを見たり、拍手を聞いたりしているうちに、「やってみる」と自分から立ち上がってくれました。楽しそうだなと感じてくれたのだろうし、みんながやっているのを見て、私にもできるかなと思ってくださったのかもしれないですね。
継続して開催しているので、「これはこうやるんだよね」と自信を持って取り組む方も増えてきました。なかには開始前の早い時間に会いにきてくれる方もいて、楽しみにしてくださっているんだなと感じています。
Q4 影絵のどのような魅力がやまゆり園のみなさんと相性が良いと感じていますか?
影を映すことは誰でもできて、そして自分が映しているものが自分で見えるというところですね。つくった手の形が影になってスクリーンに映ったときに、演じている方の目がパッと開いたり、ニコッと表情が変わったりする瞬間があるんです。
みなさんがもっとこう映してみようかなと工夫している姿を見たり、もっとやりたい!と言ってくださるのを聞いたりするときに、やってよかったなと強く感じます。
やまゆり園×劇団かかし座「影絵であそぶ」とは
日本で最も歴史ある影絵専門劇団「劇団かかし座」が、県立障害者支援施設のやまゆり園でワークショップを行うプロジェクト。2022年度、津久井やまゆり園と芹が谷やまゆり園にて実施し、その模様を追ったドキュメンタリー映像を公開。2023年度は津久井やまゆり園にて連続ワークショップに取り組むほか、芹が谷やまゆり園などでも単発ワークショップの実施を予定。津久井やまゆり園の参加者による作品「四季の歌」を含む、2023年度の様子は、神奈川県公式YouTubeチャンネル「かなちゃんTV」にて2024年2月上旬に配信予定です。