チャレンジ・オブ・ザ・シルバー小田原公演『Largo―新しいトーン』公演レポート

チャレンジ・オブ・ザ・シルバー「Largo-新しいトーン」の公演写真。二十名ほどのシニアとウサギの耳をつけた子供たちが、仄青く照らされた舞台で、それぞれ手を取り合うように踊っている。撮影:加藤甫

幕が上がると、舞台の上にはずらりと並んだ椅子が。オープニングアクト「Thunder Drum」ではダンサーたちが、座ったり立ったり、腕や足を組んだり、とシンプルの動きの連なりで魅せます。続く「2024/1/27」はシニア一人ひとりが考えた、オリジナルの振付を中心に構成された作品。スローな動きに日付を読みあげる朗読の声が重なり、人生経験を重ねてきたシニアだからこそできる表現に、客席からはすすり泣きの声も。5歳から83歳までのメンバーが一緒に踊る「月とうさぎ」では、子どもたちの登場とそれを見守るように踊るシニアの姿に温かい拍手が送られ、オフィスレディをテーマにしたユニークな振付の作品「Move」では、若手ダンサーと共に躍動するシニアの姿に会場全体が惹き込まれました。

プロジェクトリーダー・安藤洋子さんのダンスとギターの生演奏が響き合う「Echo」から、最後は出演者全員が交差し織りなす作品「Largo」へ。74名の出演者が集った公演は、世代を超えたつながりと表現の可能性を感じる時間となりました。

オフィスレディの衣装をまとった出演者たちが、両腕を広げ、片足立ちのバレエポーズを決めている。

チャレンジ・オブ・ザ・シルバー小田原公演「Largo-新しいトーン」の一場面。薄暗い照明のなか、椅子に座る人や歩き出す人、また本を手に朗読している人など、8名ほどの役者がそれぞれのパフォーマンスを見せている。衣装は落ち着いたシックなモノトーンの色合いで統一されながらも各自異なり、柄物を着ている役者が多い。撮影:加藤甫